井上直哉
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こんにちは。
心理とスピリチュアルの専門家 井上直哉(@my_earth_naoya)です。
今日は数か月前から、ずっと書かなければと思っていた、LINE(ライン)について書きたいと思います。
以前から、中学生のグループLINE(ライン)における「いじめ」の問題が、ニュースなどで何度も報道されていました。
ずっとそれを見ていて思っていたのです。きっとLINE(ライン)には、中学生が「いじめ」に走ってしまう、何らかの心理的な問題があると。
LINE(ライン)というSNSの仕組みの中に、中学生ぐらいの子供たちを、「いじめ」に駆り立ててしまう、何か致命的な問題があると感じていました。
なので、今回の記事ではそんな、中学生のグループLINE(ライン)における、「いじめ」が起きる心理的な要因を明らかにして、その対策を考えていきたいと思います。
この記事に関しては、じっくりと心理的な側面を読み解くことに意識を集中したいので、構成が整わないかもしれませんが、ご了承いただければ幸いです。
学校やご家庭で、子供にグループライン利用への注意喚起をしていただくために、A4サイズの「グループLINE利用の際の注意点!」という配布用資料を作りました。よろしければご自由にご利用ください。
<目 次>
私自身のスマホやLINE(ライン)の利用について
まずこの記事を書く前に、私自身がLINE(ライン)について、どれくらい利用しており、どう感じているのかを申し上げておきましょう。
それにより、今回のLINE(ライン)いじめ問題について、読み解いていく上での、前提条件になると思います。
井上家のLINE(ライン)利用の実例でもありますので、まずはこちらをご覧ください。
私自身のLINE(ライン)の利用頻度について
まずは私自身が、LINE(ライン)をどの程度利用しているかですが、私がLINE(ライン)を利用するのは、家族との連絡と、会社のスタッフとの業務上の連絡に限ってです。
私自身、友人や知人とLINEで繋がることはしていませんし、ましてや社外の仕事仲間とLINE(ライン)で繋がり、連絡を取り合うこともありません。
もともとフェイスブックを主体として、人間関係を築いているので、ダイレクトメッセージのやり取りも、フェイスブックメッセージが主体となります。
LINE(ライン)は家族内での利用と、社内での簡単な連絡のやり取りにしか使いません。
子育てにおけるスマホやLINE(ライン)について
私の子供たちは、現在、大学3年生の長男と、高校1年生の長女の二人で、それぞれが中学の頃よりスマホを持ち、LINE(ライン)なども利用しています。
もちろん先に述べたように、最初は家族でのLINE(ライン)でしたが、時間がたてば子供たちは友達とLINE(ライン)で繋がり、そしてグループLINE(ライン)にも参加していました。
ですから、今回のLINE(ライン)を利用したいじめ問題についても、やはり他人事ではありません。
そのため私は、あらかじめ子供たちにスマホを持たせる際に、ある注意をしました。
スマホを使う上でのルール
そんな子供たちにした注意は2つです。
1つは遅い時間までLINE(ライン)でやり取りしていないこと、そしてもう1つはスマホにパスワードロックを掛けないことです。
もしかしたら、この2つに少し驚かれた、親御さんも居るかもしれませんが、実はこの2つのことを言っておいたのには意味があります。
そしてその上で、スマホを持たせました。
子供に2つの注意をしてスマホを渡した理由
すでに息子も大学生になり、娘も高校生になりましたが、今振り返っても、この2つの注意をして、スマホを持たせたことは正解だったと感じています。
なぜなら、この2つの注意をしてスマホを渡しているので、スマホを使い続けるなら、その注意を守るという暗黙のルールが2人に出来たからです。
スマホやLINE(ライン)におけるルールの意味
実際には、2人ともパスワードロックを掛けているし、夜にスマホでLINE(ライン)見ている時がありました。
それでも、この2つのことを前もって言っているので、注意されればスマホのロックを外して、私にスマホを渡しました。
それにLINE(ライン)も「もう遅い時間だから、いい加減にしなさい!」と言えば、ほどほどに切り上げました。
二人とも最初から、スマホを手にする条件として言われていることだから、注意されて当然と受け取っていたのです。スマホを利用する上では、それを最低限の常識として認識していました。
パスワードロックを注意した理由
きっとスマホを、パスワードロックして使っている方からしたら、驚かれるかもしれません。
ですが、私がパスワードロックをするなと言ったのは、暗に「人に見られて困るようなことをスマホでするな。」という意味で伝えたのです。
ですから、二人はたとえスマホでパスワードロックを掛けても、「スマホをかして。」と言えば、自発的にパスワードロックを解除して、私に渡しました。
見られて困るようなことはないし、ロックはしないように注意してあるので、自分でロックを外して渡してよこすのです。
実際に私がチェックするのは、それぞれのデータ通信料を確認するぐらいでしたが。。。スマホは親に見られることを前提に利用しているのです。
ルールが心にブレーキを掛ける
家庭内における暗黙のルール、それはそのお家では、当然のこととして守られるべき基準です。
ですから、見つかれば夜遅くのLINE(ライン)も注意されますし、パスワードロックも外せと言われます。
でもだからと言って、それを逐一チェックしたり、無理やり強制するようなことはしませんでした。注意はしてもそれぞれの判断に委ねたのです。
強く強制すれば大きなストレスとなりますが、ルールとして決められていて任せておけば、それ以上極端に深みにハマっていくことはありません。
これがネットやLINE(ライン)に深入りし、親の知らないうちにネット犯罪や、いじめ問題に巻き込まれるのを防ぐと考えたのです。
家庭における暗黙のルールの役割
簡単に言えば、道路の制限速度と同じです。
その速度をオーバーする人は確かにいるけど、その制限速度というルールがあるからこそ、そこから極端に逸脱することはありません。
それによって道路上の安全が保たれているのです。極端にルールを破り捕まれば、罰金、免許停止、免許取り消しなどの罰則があることを知っているから、誰もがある程度守るのです。
同じように、私の家ではスマホ利用にも家庭のルールがあり、極端に逸脱すればスマホ没収の罰則が在り得るのを、2人は理解しています。
ですから、多少ルールを破ることは在っても、スマホ没収の罰則を受けないように、ある程度言うことを聞きますし、逸脱しすぎないよう心理的なブレーキがかかるのです。
子供はルールが無いと危険を判断できない
言い返せば、子供がスマホを利用する上で、家庭のルールが無いということは、制限速度を決めずに道を走らせるようなものです。
スマホを使う子供たちも、どこまでがOKで安全なのか、どこからが危険な領域なのかを理解出来ていません。
その結果、自分でブレーキを掛けるべき時が解らずに、どんどんスマホやLINE(ライン)などへとハマってしまいます。
そして気が付けば、もうそこから抜け出せない心理状態に、陥ってしまうのです。
家庭のルールについては、こちらの「我が家のルールづくりのポイント!心理の専門家が実践する4つのルール」で、私自身の家のルールを紹介しつつ、作り方を詳しく説明しています。よろしければ参考にご覧ください。
安全とは言えないネット社会
ネット犯罪や、LINE(ライン)によるいじめ問題が取り立たされている昨今、ネット利用は必ずしも安全なものではありません。
でも現状、ネット上の犯罪に対する法整備などは、後手後手に回っており、次から次へと新しいサイトや犯罪手法が誕生しています。
ネット掲示版やSNSなどにおける、援助交際などの問題もしかりです。
ですから、ネット利用のすべてを子供任せにするのではなく、親が安全だと考えるルールを決めて、利用させることが大切なのです。
グループワークの心理的な効果と危険性
私は心理の専門家として、様々な心理的なワークを体験していますが、心理学の分野にグループLINE(ライン)と似ているワークがあります。
ここではまず、そんなグループワークの心理的な効果と、危険性についてお話ししましょう。
これを知ることで、なぜグループLINEではいじめなどの問題が起きやすいのか、お解りいただけると思います。
エンカウンターグループとしての心理的要素
あなたはカウンセリングの分野に、「エンカウンターグループ」という心理ワークがるのをご存知でしょうか?
これはカウンセリングや心理学を学んでいる方なら、多くの方が経験しているグループワークです。
カウンセリングの基本概念とされる「来談者中心療法」を提唱した、アメリカの臨床心理学者、カール・ロジャースがが開発したグループワークです。
エンカウンターグループ (encounter group) は、カール・ロジャースが開発したカウンセリングの方法。構成的エンカウンター(予め課題が用意されたもの)と非構成的エンカウンター(予め課題が用意されていないもの)に大別される。 Wikipedia引用:エンカウンターグループ
Wikipedia引用:カール・ロジャース(Carl Ransom Rogers, 1902/1/8 – 1987/2/4)
相談者の話に、カウンセラーが耳を傾け、否定せず共感しながら聞き取ることで、相談者の悩みの言語化を促し、自己理解を深め心の成長を促す、現代では一般的なカウンセリング手法。
エンカウンターグループとは
エンカウンターグループとは、大人の健常者向けに考案された、グループでの対話形式の心理ワークです。
例えば10名程度の人が集まり、円座を組んで、何のテーマも決めていない状態から、各々の本音をぶつけ合います。
お互いが本音で話し合うことを、主目的としたグループワークなので、必ずメンバーとして、ファシリテーターと言われる、カウンセリングの経験を積んだまとめ役が入ります。
ファシリテーターは、その場をコントロールしながら、お互いの会話がバランスよく交流し合うように促していくのです。
エンカウンターグループの目的
エンカウンターグループとは、簡単に言えば、お互いの価値観のぶつかり合いです。
それにより、参加者が無意識に持っていた固定観念が言葉として明確になり、時には否定されて破壊されます。
それは心の傷みを伴うことでもありますが、それと引き換えに、自分が当然だと思っていた狭い視野が取り払われ、新たな可能性に目を向けられるようになるのです。
ファシリテーターは、その固定観念のぶつかり合いで、一人だけが攻撃されてしまうことが無いように注意し、グループの会話が円滑に進むように、取り計らう役割を担います。
なぜなら、人は無意識の防衛本能として、自分の価値観を守るために、衝動的に相手を攻撃してしまいやすいからです。
グループワークの危険性
問題は、このファシリテーターが管理する、エンカウンターグループでさえ、参加者は心の痛みを感じ疲弊することです。
本音での意見の交流は、その人が発言していようがいまいが、心の中に色々なことを感じさせます。
それは例えば、2チャンネルを覗いたり、荒れているブログを見れば、誰もが様々な感情が湧きたち、心が動揺するのと同じです。
そして場合によっては、そのエンカウンターグループに参加した経験そのものが、辛い体験(トラウマ)になってしまうこともあります。
本音で交流し合うグループワークでは、心の傷(トラウマ)を負う危険性があるのです。
いじめが起き易いグループLINE(ライン)の心理的な仕組み
ここまでの解説で、本音でのグループ交流自体に、大人であってもトラウマを負う危険性があることは、ご理解いただけたと思います。
ではここからは、なぜ中学生のグループLINE(ライン)でも、同じような本音での交流となり、いじめなどの問題が起きてしまうのか。
グループLINE(ライン)という仕組みが持つ、心理的な8つの問題点を、詳しく見ていきましょう。
1、偽名による投稿の影響
2ちゃねんるを見れば良く解りますが、偽名や愛称などでの投稿は、比較的自分の本音を言いやすい環境となります。
本来、フェイスブックのように本名での運用であれば、メッセージでのやり取りでも、お互いにリアルと同様の責任が伴うので、簡単に本音での会話にはなりません。
ネット環境で本名を書くことは、自分の発言だと署名して公表するのと同じですから、誰もが公への発言であると意識するのです。
でも偽名や愛称では、その責任感が希薄になります。それにより、ネットで理性的な人間関係を築く為の、歯止めが利かなくなるのです。
2、中学生としての未成熟な理性
中学生といわれる思春期の年頃は、誰もが子供から大人へと成長する時期です。
それは感情や気持ちの赴くままに、主観的に社会と関わっていた子供の自分から、理性や常識をもって、客観的に社会へと関われるようになる、大人の自分へと成長する時期です。
多くの子供たちは、中学校の3年間を通じて、子供から大人へと心が成長し、周囲の人の気持ちを察して、気配りをする術を習得します。
ですが、そんな未成熟な子供たちの理性は、グループLINE(ライン)の中の、否定的な発言により、簡単に吹き飛んでしまうのです。
未成熟で自信が持てない理性や気配りは、感情的で攻撃的な発言を前にして、それに贖う強さをまだ持ち合わせては居ないのです。
3、LINE(ライン)の投稿は会話形式
さらにLINE(ライン)の特性として、チャットでのやり取りですから、文章ではなく、その都度言葉を打ち込んでいく会話形式の交流が主体になります。
それは文章として伝えたいことを明確に整理して、読み直すことが出来るメールなどとは違い、気持ちの赴くままに発言を繰り返していく作業です。
その結果、普通なら言わないような言動でさえも、発言の流れの中で思わず投稿してしまいます。その場の雰囲気に流されてしまい易いのです。
これは子供に限らず、私たち大人も同じです。
4、1度投稿すると取り消せない
そして一度投稿してしまえば、そのメッセージを取り消すことは出来ません。
本来2人でのやり取りなら、失礼なことを口走れば、悪かったと謝れますし、口頭での発言なら、時間と共に記憶が薄れて、そんなことも忘れていきます。
でもグループLINE(ライン)は違います。投稿した内容は決して取り消すことが出来ず。なおかつ、その発言を訂正するためには、全員が見ている前で、謝らなければならないのです。
その結果、多少いじめのような雰囲気になり、問題が起きたときに、発言者は自分の言動を、訂正できなくなってしまうのです。
5、LINE(ライン)では周りの顔色を伺えない
なおかつ、タイムラインでメッセージが流れてくる、言葉だけの交流ですから、本来のリアルな交流と違います。
誰かの発言について周りの顔色を伺いながら、意見を言ったり、疑問を投げかけることが出来ないのです。
私たちはリアルでの交流なら、言葉以外の表情や雰囲気で、その場の空気を読み取り、無意識にコミュニケーションを取っていきます。
そして自分と同じように、疑問を感じている人がいるからこそ、口に出せる意見も多いのです。
でもグループLINE(ライン)におけるコミュニケーションでは、そんな周囲の状況や気持ちを伺う術がありません。
6、グループLINE(ライン)のクローズドな交流
例えばフェイスブックは、オープンな交流の場ですから、不用意に人を攻撃するような、否定的な発言をすれば、リアル同様に人は離れていきます。
それは交流の場でも、自然と孤独になっていき、自分だけが孤立してしまうということです。
本名での投稿ですから、ツイッターやブログ、掲示板のように、炎上することはないでしょうが、多くの人から敬遠されるようになるでしょう。
でもグループLINE(ライン)にはそれがありません。クローズドで閉鎖的な交流の場ですから、否定的な発言をしても、外から見られることはなく、ましてや参加している人は、だれも距離をおくことができないのです。
グループLINE(ライン)で距離をおくには、グループから抜けるか、グループLINEを見ないようにするしか選択が無いのです。
7、グループLINE(ライン)で仲間外れになる心理
そこで問題になってくるのが、このグループLINE(ライン)が、クラスの多くの子供たちが所属しているグループであることです。
これはすでに親となった我々でも解ることですが、友達のグループに所属しないということは、それだけで攻撃の対象になる危険性が伴います。
それはSNSなどのLINE(ライン)に限ったことではなく、小学校や中学校などの友達関係全般に言えることで、一人で孤立してしまえば、異端児として、グループからの攻撃の対象になってしまい易いのです。
そのため、そのいじめの対象になってしまう怖さから、グループLINE(ライン)を抜けることはとても難しく、殆どの子供たちは、LINE(ライン)を見ないようにしようと試みるでしょう。
8、昼夜関係なく頻繁に鳴り響く投稿音
しかしながら、距離をおくためにメッセージを見ないようにと思っても、昼夜関係なく頻繁に鳴り響くLINE(ライン)の投稿音、無視し続けるほどに募る不安感。
そんな気持ちから、見れば辛いと解りつつも、その投稿音を無視し続けることが出来ません。通知音をOFFにしても、スマホを手にして画面を開けば、何十という投稿数が表示されています。
それを気にするなという方が、正直無理な話です。
ここで学校とは別な自分の世界、例えば部活やスポーツクラブがある子供たちは、そちらに専念することで、グループLINE(ライン)から距離をおけます。
でもそんな風に、他に取り組むことが無い子供たちは、比較的時間を持て余しがちで、その結果、頻繁にスマホに目を通す習慣が出来てしまい、なおさら抜け出せなくなるのです。
グループLINE(ライン)でいじめが起きる最大の原因
さて、ここまではLINE(ライン)で、中学生のいじめ問題が起きやすい仕組みについて、お話ししてきました。
では、いじめが起きてしまう最大の原因は何でしょうか。
グループLINE(ライン)ではいじめにブレーキが掛からない
それはグループLINE(ライン)には、専門のファシリテーターがいないことです。
そのグループの言動やその場の雰囲気を取り計らって、先導してく人がいないために、強い言葉で発言する人に、自然と迎合するグループになってしまい易いのです。
そしてそのグループで、直接いじめの対象に成らないメンバーには、攻撃的な発言に異議を唱える力がありません。
それは同時に自分がいじめられる対象になりかねないからです。
その結果、「無反応=承認」と受け止められて、いじめがどんどんエスカレートしてしまいます。そうなるともう、ブレーキを掛けれる人はいないのです。
エンカウンターグループで機能するブレーキ
先に話した通り、心理を学ぶ大人がエンカウンターグループを行うだけでも、やはり感情的な強い発言に左右されて、グループが一部の人を攻撃しやすくなります。
それは人が自分の価値観を否定されて、心が傷つくことを守ろうとする無意識の行動です。人が正しいと信じていることを、守ろうとするためにとる、衝動的に働く防衛本能だといえます。
ファシリテーターはそんな時に、あらかじめグループの意見が一方に偏りすぎないよう、バランスを取るのですが、それは主として偏った意見に疑問を投げかけたり、違う見方を促すためのものです。
それがエンカウンターグループでの、ブレーキとなります。でも、中学生のグループLINE(ライン)には、ブレーキを掛ける人がいません。
感情をコントロールする理性が、まだ未成熟な中学生が利用すれば、問題が起きるのはある意味当然の結果なのです。
中学生のグループLINE(ライン)いじめ問題への対応策
ではここからは、私がこれまで読み解いてきた内容に基づいて、中学生のグループLINE(ライン)いじめに関する対応策を、書いていきたいと思います。
これはあくまで、一人の心理の専門家としての意見として述べていきます。
LINE(ライン)いじめの対応策はルール作り
最初にも紹介した通り、スマホやネット環境を利用する上で、ルールがなければ、子供たちはスマホやLINEの利用はどこまでが安全で、どこからが危険なのかを判断できません。
そしてルール無くグループLINE(ライン)を利用することは、子供に心的外傷(トラウマ)を負わせる危険性があります。
それはエンカウンターグループを見ても解るように、大人でさえも注意を払うべき問題です。
ですからグループLINE(ライン)の利用にあたっては、明確なルールを示すべきです。
学校における対応策としてのルール
あくまで私の個人的な考えではありますが、理想としては学校で明確にグループLINE(ライン)の使用を禁止する校則を作ることです。
理由は明快、「昨今のLINEいじめの問題を鑑みて、学校としてグループでのLINE(ライン)の利用を禁止します。」の一文でOKでしょう。
LINE(ライン)も仲の良い友達同士の、1対1のやり取りであれば、いじめなどの過激な発言には発展せずに、お互いの相談で済むものです。
問題は学校がグループLINE(ライン)を明確に禁止して、家庭に通知することで、家庭での注意がしやすくなることであり、子供たちに当然のルールとして周知できることです。
スマホやSNSの利用など、日頃から注意喚起を行う意味で、ノーメディアデーを推進することもおすすです。詳しくはこちらの「ノーメディアデーの意味と効果とは?心理の専門家が取り組み方を解説」をご覧ください。配布用の資料もダウンロードできます。
家庭での対応策としてのルール
そして家庭環境は、子供にとって休息の場であり、外部から刺激されない自分だけの時間であるべきです。
それは学校の友達関係や、部活などで感じたストレスを、解消するために確保された、守られた空間であり、時間であるべきだといえます。
大人だって、仕事で疲れて帰ってきたら、同僚や上司から頻繁にグループLINE(ライン)が入るなんて、全く休めないし嫌ですよね。それと同じです。
ですから、家では夜間(例:21時以降)はLINE禁止をルールとして通知すると良いでしょう。
そんなこと言っても、中学生にもなれば親の言うことなんて聞かないと、言われる親御さんも居るでしょうが、大切なのはルールとして子供たちに周知することです。
ルールが存在することが心にブレーキを掛ける
これらの対策をとっても、学校のごく一部の友達の間では、グループLINE(ライン)が利用されることでしょう。でもそれでいいのです。
グループLINE(ライン)が禁止されているという、公のルール(校則)が存在することが、子供たちの心の中に一線を引かせます。
その結果、いざそのグループLINE(ライン)に誘われても、「校則で禁止されてるから」と断りやすいし、そこから抜けることに関しても、「学校にバレるとヤバイ」と抜け易くなります。
そして家のルールとしての夜間の使用禁止も、夜間の友達からのLINE(ライン)を無視する理由になります。「家が厳しいから、夜遅くまでLINEしてると、スマホ取り上げられる」それでOKなのです。
グループLINE(ライン)は、参加しないのが当然で、参加することに後ろめたさを持ってもらえればいいのです。
それが交通ルールで設けられた制限速度と同じように、心にブレーキを掛ける効果となります。
子育てにおけるルールについて感じたこと
ここまで、中学生のグループLINE(ライン)のいじめ問題について、私なりにその原因と改善法を詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
では最後にいくつか、お話しして終了したいと思います。
厳密すぎる管理は子供のストレスになる
スマホやLINE(ライン)などのルールを作っても、厳密には管理せずに、子供たちにある程度委ねることが大切です。
逐一管理して目を光らせていれば、それが反って子供たちのストレスとなり、反抗心を駆り立てることになります。
ですから、あまりに逸脱してるときや、気が付いた時に声掛けして注意するぐらいで、引き締めすぎないように注意してください。
厳密すぎるルールは反って逆効果になりかねませんので、親としても心に余裕をもって、子供と向き合えるようにしていきましょう。
人はルールが存在した方が安心して楽しめる
スポーツやゲームなど、ルールが明確に決まっており、誰もが守るからこそ、人は楽しんでプレイすることが出来ます。
公に認められている明確なルールは、それに従うだけで、ある種の安心感を与えてくれるのです。
私たち大人でさえ、法律などの公に定められたルールに従っているから、円滑な日常生活を送ることが出来ています。
ですから必要に応じて、家庭にルールを作り、子供に従わせることを恐れないでください。
親として子供を育てるためのルール
確かに子供に自由を与えることも大切です。
でも大人となって自立するまでは、守られた範囲の中の自由の方が居心地が良いでしょう。学校生活の合間にある、夏休みぐらいで丁度いいのです。
自分で収入を得て、責任を取れる社会人になれば、自然と自分で自分にルールを定められるようになります。
ですからそれまでは、親としての考えを明確なルールとして与え、適度に見守ってあげてください。
そんな明快な関わり方が、子供にとっても安心できる環境になるのだと、私は感じるのです。
学校配布用の資料
学校や教育関連、地域の子供会等でも利用できるように、グループラインの注意点をまとめた資料を作ってみました。
下記の画像をクリックすると、PDFでダウンロードできますので、ご自由にお使いください。
なお、著作権は当方にありますので、改編などはご遠慮いただき、学校教育や家庭での利用にお役立てください。
この記事が長いので、配布元のこちらにリンクを繋ぎたいときには、「https://inoue.myearth.jp/170911line-izime/#i-4」で繋ぐと、直接ここが開きます。
最後に、井上は心の専門家として各地でのセミナーや講演依頼も承っております。ご希望の方は「井上への講演、講師依頼はこちら」よりお気軽にお問い合わせください。
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