中学生のLINE(ライン)いじめ問題における心理的な原因と対応策

中学生のLINE(ライン)いじめ問題における心理的な原因と対応策
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井上直哉

心理とスピリチュアルの専門家
1989年大学に進学中に、独自にスピリチュアルの研究を行い体外離脱体験をもつ。医療機器メーカーに就職後、2001年に心理療法家として独立。3,000人以上のセラピー実績を持ち、年間20回以上のセミナーを全国で開催。2010年に株式会社ヒーリングアースを設立。現在は経営の傍ら個人セッション及びセミナーをこなしながら執筆活動に励む。ブログは年間300万人が訪れる。モットーは「現実が変わるスピリチュアル」です。
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こんにちは。
心理とスピリチュアルの専門家 井上直哉(@my_earth_naoya)です。

今日は数か月前から、ずっと書かなければと思っていた、LINE(ライン)について書きたいと思います。

以前から、中学生のグループLINE(ライン)における「いじめ」の問題が、ニュースなどで何度も報道されていました。

ずっとそれを見ていて思っていたのです。きっとLINE(ライン)には、中学生が「いじめ」に走ってしまう、何らかの心理的な問題があると。

LINE(ライン)というSNSの仕組みの中に、中学生ぐらいの子供たちを、「いじめ」に駆り立ててしまう、何か致命的な問題があると感じていました。

なので、今回の記事ではそんな、中学生のグループLINE(ライン)における、「いじめ」が起きる心理的な要因を明らかにしてその対策を考えていきたいと思います。

この記事に関しては、じっくりと心理的な側面を読み解くことに意識を集中したいので、構成が整わないかもしれませんが、ご了承いただければ幸いです。

補足説明
学校やご家庭で、子供にグループライン利用への注意喚起をしていただくために、A4サイズの「グループLINE利用の際の注意点!」という配布用資料を作りました。よろしければご自由にご利用ください。

 

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私自身のスマホやLINE(ライン)の利用について

私自身のスマホやLINE(ライン)の利用について

まずこの記事を書く前に、私自身がLINE(ライン)について、どれくらい利用しており、どう感じているのかを申し上げておきましょう。

それにより、今回のLINE(ライン)いじめ問題について、読み解いていく上での、前提条件になると思います。

井上家のLINE(ライン)利用の実例でもありますので、まずはこちらをご覧ください。

 

私自身のLINE(ライン)の利用頻度について

まずは私自身が、LINE(ライン)をどの程度利用しているかですが、私がLINE(ライン)を利用するのは、家族との連絡と、会社のスタッフとの業務上の連絡に限ってです。

私自身、友人や知人とLINEで繋がることはしていませんし、ましてや社外の仕事仲間とLINE(ライン)で繋がり、連絡を取り合うこともありません。

もともとフェイスブックを主体として、人間関係を築いているので、ダイレクトメッセージのやり取りも、フェイスブックメッセージが主体となります。

LINE(ライン)は家族内での利用と、社内での簡単な連絡のやり取りにしか使いません。

 

子育てにおけるスマホやLINE(ライン)について

私の子供たちは、現在、大学3年生の長男と、高校1年生の長女の二人で、それぞれが中学の頃よりスマホを持ち、LINE(ライン)なども利用しています。

もちろん先に述べたように、最初は家族でのLINE(ライン)でしたが、時間がたてば子供たちは友達とLINE(ライン)で繋がり、そしてグループLINE(ライン)にも参加していました。

ですから、今回のLINE(ライン)を利用したいじめ問題についても、やはり他人事ではありません。

そのため私は、あらかじめ子供たちにスマホを持たせる際に、ある注意をしました。

 

スマホを使う上でのルール

そんな子供たちにした注意は2つです。

1つは遅い時間までLINE(ライン)でやり取りしていないこと、そしてもう1つはスマホにパスワードロックを掛けないことです。

もしかしたら、この2つに少し驚かれた、親御さんも居るかもしれませんが、実はこの2つのことを言っておいたのには意味があります。

そしてその上で、スマホを持たせました。

 

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子供に2つの注意をしてスマホを渡した理由

子供に2つの注意をしてスマホを渡した理由

すでに息子も大学生になり、娘も高校生になりましたが、今振り返っても、この2つの注意をして、スマホを持たせたことは正解だったと感じています。

なぜなら、この2つの注意をしてスマホを渡しているので、スマホを使い続けるなら、その注意を守るという暗黙のルールが2人に出来たからです。

 

スマホやLINE(ライン)におけるルールの意味

実際には、2人ともパスワードロックを掛けているし、夜にスマホでLINE(ライン)見ている時がありました。

それでも、この2つのことを前もって言っているので、注意されればスマホのロックを外して、私にスマホを渡しました。

それにLINE(ライン)も「もう遅い時間だから、いい加減にしなさい!」と言えば、ほどほどに切り上げました。

二人とも最初から、スマホを手にする条件として言われていることだから、注意されて当然と受け取っていたのです。スマホを利用する上では、それを最低限の常識として認識していました。

 

パスワードロックを注意した理由

きっとスマホを、パスワードロックして使っている方からしたら、驚かれるかもしれません。

ですが、私がパスワードロックをするなと言ったのは、暗に「人に見られて困るようなことをスマホでするな。」という意味で伝えたのです。

ですから、二人はたとえスマホでパスワードロックを掛けても、「スマホをかして。」と言えば、自発的にパスワードロックを解除して、私に渡しました。

見られて困るようなことはないし、ロックはしないように注意してあるので、自分でロックを外して渡してよこすのです。

実際に私がチェックするのは、それぞれのデータ通信料を確認するぐらいでしたが。。。スマホは親に見られることを前提に利用しているのです。

 

ルールが心にブレーキを掛ける

家庭内における暗黙のルール、それはそのお家では、当然のこととして守られるべき基準です。

ですから、見つかれば夜遅くのLINE(ライン)も注意されますし、パスワードロックも外せと言われます。

でもだからと言って、それを逐一チェックしたり、無理やり強制するようなことはしませんでした。注意はしてもそれぞれの判断に委ねたのです。

強く強制すれば大きなストレスとなりますが、ルールとして決められていて任せておけば、それ以上極端に深みにハマっていくことはありません。

これがネットやLINE(ライン)に深入りし、親の知らないうちにネット犯罪や、いじめ問題に巻き込まれるのを防ぐと考えたのです。

 

家庭における暗黙のルールの役割

簡単に言えば、道路の制限速度と同じです。

その速度をオーバーする人は確かにいるけど、その制限速度というルールがあるからこそ、そこから極端に逸脱することはありません。

それによって道路上の安全が保たれているのです。極端にルールを破り捕まれば、罰金、免許停止、免許取り消しなどの罰則があることを知っているから、誰もがある程度守るのです。

同じように、私の家ではスマホ利用にも家庭のルールがあり、極端に逸脱すればスマホ没収の罰則が在り得るのを、2人は理解しています。

ですから、多少ルールを破ることは在っても、スマホ没収の罰則を受けないように、ある程度言うことを聞きますし、逸脱しすぎないよう心理的なブレーキがかかるのです。

 

子供はルールが無いと危険を判断できない

言い返せば、子供がスマホを利用する上で、家庭のルールが無いということは、制限速度を決めずに道を走らせるようなものです。

スマホを使う子供たちも、どこまでがOKで安全なのか、どこからが危険な領域なのかを理解出来ていません。

その結果、自分でブレーキを掛けるべき時が解らずに、どんどんスマホやLINE(ライン)などへとハマってしまいます。

そして気が付けば、もうそこから抜け出せない心理状態に、陥ってしまうのです。

補足説明
家庭のルールについては、こちらの「我が家のルールづくりのポイント!心理の専門家が実践する4つのルール」で、私自身の家のルールを紹介しつつ、作り方を詳しく説明しています。よろしければ参考にご覧ください。

 

安全とは言えないネット社会

ネット犯罪や、LINE(ライン)によるいじめ問題が取り立たされている昨今、ネット利用は必ずしも安全なものではありません。

でも現状、ネット上の犯罪に対する法整備などは、後手後手に回っており、次から次へと新しいサイトや犯罪手法が誕生しています。

ネット掲示版やSNSなどにおける、援助交際などの問題もしかりです。

ですから、ネット利用のすべてを子供任せにするのではなく、親が安全だと考えるルールを決めて、利用させることが大切なのです。

 

グループワークの心理的な効果と危険性

グループワークの心理的な効果と危険性

私は心理の専門家として、様々な心理的なワークを体験していますが、心理学の分野にグループLINE(ライン)と似ているワークがあります。

ここではまず、そんなグループワークの心理的な効果と、危険性についてお話ししましょう。

これを知ることで、なぜグループLINEではいじめなどの問題が起きやすいのか、お解りいただけると思います。

 

エンカウンターグループとしての心理的要素

あなたはカウンセリングの分野に、「エンカウンターグループ」という心理ワークがるのをご存知でしょうか?

これはカウンセリングや心理学を学んでいる方なら、多くの方が経験しているグループワークです。

カウンセリングの基本概念とされる「来談者中心療法」を提唱した、アメリカの臨床心理学者、カール・ロジャースがが開発したグループワークです。

エンカウンターグループ (encounter group) は、カール・ロジャースが開発したカウンセリングの方法。構成的エンカウンター(予め課題が用意されたもの)と非構成的エンカウンター(予め課題が用意されていないもの)に大別される。 Wikipedia引用:エンカウンターグループ

カール・ロジャーズ 
Wikipedia引用:カール・ロジャース(Carl Ransom Rogers, 1902/1/8 – 1987/2/4)

補足説明:来談者中心療法とは
相談者の話に、カウンセラーが耳を傾け、否定せず共感しながら聞き取ることで、相談者の悩みの言語化を促し、自己理解を深め心の成長を促す、現代では一般的なカウンセリング手法。

 

エンカウンターグループとは

エンカウンターグループとは、大人の健常者向けに考案された、グループでの対話形式の心理ワークです。

例えば10名程度の人が集まり、円座を組んで、何のテーマも決めていない状態から、各々の本音をぶつけ合います。

お互いが本音で話し合うことを、主目的としたグループワークなので、必ずメンバーとして、ファシリテーターと言われる、カウンセリングの経験を積んだまとめ役が入ります。

ファシリテーターは、その場をコントロールしながら、お互いの会話がバランスよく交流し合うように促していくのです。

 

エンカウンターグループの目的

エンカウンターグループとは、簡単に言えば、お互いの価値観のぶつかり合いです。

それにより、参加者が無意識に持っていた固定観念が言葉として明確になり、時には否定されて破壊されます。

それは心の傷みを伴うことでもありますが、それと引き換えに、自分が当然だと思っていた狭い視野が取り払われ、新たな可能性に目を向けられるようになるのです。

ファシリテーターは、その固定観念のぶつかり合いで、一人だけが攻撃されてしまうことが無いように注意し、グループの会話が円滑に進むように、取り計らう役割を担います。

なぜなら、人は無意識の防衛本能として、自分の価値観を守るために、衝動的に相手を攻撃してしまいやすいからです。

 

グループワークの危険性

問題は、このファシリテーターが管理する、エンカウンターグループでさえ、参加者は心の痛みを感じ疲弊することです。

本音での意見の交流は、その人が発言していようがいまいが、心の中に色々なことを感じさせます。

それは例えば、2チャンネルを覗いたり、荒れているブログを見れば、誰もが様々な感情が湧きたち、心が動揺するのと同じです。

そして場合によっては、そのエンカウンターグループに参加した経験そのものが、辛い体験(トラウマ)になってしまうこともあります。

本音で交流し合うグループワークでは、心の傷(トラウマ)を負う危険性があるのです。

 

いじめが起き易いグループLINE(ライン)の心理的な仕組み

いじめが起き易いグループLINE(ライン)の心理的な仕組み

ここまでの解説で、本音でのグループ交流自体に、大人であってもトラウマを負う危険性があることは、ご理解いただけたと思います。

ではここからは、なぜ中学生のグループLINE(ライン)でも、同じような本音での交流となり、いじめなどの問題が起きてしまうのか。

グループLINE(ライン)という仕組みが持つ、心理的な8つの問題点を、詳しく見ていきましょう。

 

1、偽名による投稿の影響

2ちゃねんるを見れば良く解りますが、偽名愛称などでの投稿は、比較的自分の本音を言いやすい環境となります。

本来、フェイスブックのように本名での運用であれば、メッセージでのやり取りでも、お互いにリアルと同様の責任が伴うので、簡単に本音での会話にはなりません。

ネット環境で本名を書くことは、自分の発言だと署名して公表するのと同じですから、誰もが公への発言であると意識するのです。

でも偽名や愛称では、その責任感が希薄になります。それにより、ネットで理性的な人間関係を築く為の、歯止めが利かなくなるのです。

 

2、中学生としての未成熟な理性

中学生といわれる思春期の年頃は、誰もが子供から大人へと成長する時期です。

それは感情や気持ちの赴くままに、主観的に社会と関わっていた子供の自分から、理性や常識をもって、客観的に社会へと関われるようになる、大人の自分へと成長する時期です。

多くの子供たちは、中学校の3年間を通じて、子供から大人へと心が成長し、周囲の人の気持ちを察して、気配りをする術を習得します。

ですが、そんな未成熟な子供たちの理性は、グループLINE(ライン)の中の、否定的な発言により、簡単に吹き飛んでしまうのです。

未成熟で自信が持てない理性や気配りは、感情的で攻撃的な発言を前にして、それに贖う強さをまだ持ち合わせては居ないのです。

 

3、LINE(ライン)の投稿は会話形式

さらにLINE(ライン)の特性として、チャットでのやり取りですから、文章ではなく、その都度言葉を打ち込んでいく会話形式の交流が主体になります。

それは文章として伝えたいことを明確に整理して、読み直すことが出来るメールなどとは違い、気持ちの赴くままに発言を繰り返していく作業です。

その結果、普通なら言わないような言動でさえも、発言の流れの中で思わず投稿してしまいます。その場の雰囲気に流されてしまい易いのです。

これは子供に限らず、私たち大人も同じです。

 

4、1度投稿すると取り消せない

そして一度投稿してしまえば、そのメッセージを取り消すことは出来ません。

本来2人でのやり取りなら、失礼なことを口走れば、悪かったと謝れますし、口頭での発言なら、時間と共に記憶が薄れて、そんなことも忘れていきます。

でもグループLINE(ライン)は違います。投稿した内容は決して取り消すことが出来ず。なおかつ、その発言を訂正するためには、全員が見ている前で、謝らなければならないのです。

その結果、多少いじめのような雰囲気になり、問題が起きたときに、発言者は自分の言動を、訂正できなくなってしまうのです。

 

5、LINE(ライン)では周りの顔色を伺えない

なおかつ、タイムラインでメッセージが流れてくる、言葉だけの交流ですから、本来のリアルな交流と違います。

誰かの発言について周りの顔色を伺いながら、意見を言ったり、疑問を投げかけることが出来ないのです。

私たちはリアルでの交流なら、言葉以外の表情や雰囲気で、その場の空気を読み取り、無意識にコミュニケーションを取っていきます。

そして自分と同じように、疑問を感じている人がいるからこそ、口に出せる意見も多いのです。

でもグループLINE(ライン)におけるコミュニケーションでは、そんな周囲の状況や気持ちを伺う術がありません。

 

6、グループLINE(ライン)のクローズドな交流

例えばフェイスブックは、オープンな交流の場ですから、不用意に人を攻撃するような、否定的な発言をすれば、リアル同様に人は離れていきます。

それは交流の場でも、自然と孤独になっていき、自分だけが孤立してしまうということです。

本名での投稿ですから、ツイッターやブログ、掲示板のように、炎上することはないでしょうが、多くの人から敬遠されるようになるでしょう。

でもグループLINE(ライン)にはそれがありません。クローズドで閉鎖的な交流の場ですから、否定的な発言をしても、外から見られることはなく、ましてや参加している人は、だれも距離をおくことができないのです。

グループLINE(ライン)で距離をおくには、グループから抜けるか、グループLINEを見ないようにするしか選択が無いのです。

 

7、グループLINE(ライン)で仲間外れになる心理

そこで問題になってくるのが、このグループLINE(ライン)が、クラスの多くの子供たちが所属しているグループであることです。

これはすでに親となった我々でも解ることですが、友達のグループに所属しないということは、それだけで攻撃の対象になる危険性が伴います。

それはSNSなどのLINE(ライン)に限ったことではなく、小学校や中学校などの友達関係全般に言えることで、一人で孤立してしまえば、異端児として、グループからの攻撃の対象になってしまい易いのです。

そのため、そのいじめの対象になってしまう怖さから、グループLINE(ライン)を抜けることはとても難しく、殆どの子供たちは、LINE(ライン)を見ないようにしようと試みるでしょう。

 

8、昼夜関係なく頻繁に鳴り響く投稿音

しかしながら、距離をおくためにメッセージを見ないようにと思っても、昼夜関係なく頻繁に鳴り響くLINE(ライン)の投稿音、無視し続けるほどに募る不安感。

そんな気持ちから、見れば辛いと解りつつも、その投稿音を無視し続けることが出来ません。通知音をOFFにしても、スマホを手にして画面を開けば、何十という投稿数が表示されています。

それを気にするなという方が、正直無理な話です。

ここで学校とは別な自分の世界、例えば部活やスポーツクラブがある子供たちは、そちらに専念することで、グループLINE(ライン)から距離をおけます。

でもそんな風に、他に取り組むことが無い子供たちは、比較的時間を持て余しがちで、その結果、頻繁にスマホに目を通す習慣が出来てしまい、なおさら抜け出せなくなるのです。

 

グループLINE(ライン)でいじめが起きる最大の原因

グループLINE(ライン)でいじめが起きる最大の原因

さて、ここまではLINE(ライン)で、中学生のいじめ問題が起きやすい仕組みについて、お話ししてきました。

では、いじめが起きてしまう最大の原因は何でしょうか。

 

グループLINE(ライン)ではいじめにブレーキが掛からない

それはグループLINE(ライン)には、専門のファシリテーターがいないことです。

そのグループの言動やその場の雰囲気を取り計らって、先導してく人がいないために、強い言葉で発言する人に、自然と迎合するグループになってしまい易いのです。

そしてそのグループで、直接いじめの対象に成らないメンバーには、攻撃的な発言に異議を唱える力がありません。

それは同時に自分がいじめられる対象になりかねないからです。

その結果、「無反応=承認」と受け止められて、いじめがどんどんエスカレートしてしまいます。そうなるともう、ブレーキを掛けれる人はいないのです。

 

エンカウンターグループで機能するブレーキ

先に話した通り、心理を学ぶ大人がエンカウンターグループを行うだけでも、やはり感情的な強い発言に左右されて、グループが一部の人を攻撃しやすくなります。

それは人が自分の価値観を否定されて、心が傷つくことを守ろうとする無意識の行動です。人が正しいと信じていることを、守ろうとするためにとる、衝動的に働く防衛本能だといえます。

ファシリテーターはそんな時に、あらかじめグループの意見が一方に偏りすぎないよう、バランスを取るのですが、それは主として偏った意見に疑問を投げかけたり、違う見方を促すためのものです。

それがエンカウンターグループでの、ブレーキとなります。でも、中学生のグループLINE(ライン)には、ブレーキを掛ける人がいません。

感情をコントロールする理性が、まだ未成熟な中学生が利用すれば、問題が起きるのはある意味当然の結果なのです。

 

中学生のグループLINE(ライン)いじめ問題への対応策

中学生のグループLINE(ライン)いじめ問題への対応策

ではここからは、私がこれまで読み解いてきた内容に基づいて、中学生のグループLINE(ライン)いじめに関する対応策を、書いていきたいと思います。

これはあくまで、一人の心理の専門家としての意見として述べていきます。

 

LINE(ライン)いじめの対応策はルール作り

最初にも紹介した通り、スマホやネット環境を利用する上で、ルールがなければ、子供たちはスマホやLINEの利用はどこまでが安全で、どこからが危険なのかを判断できません。

そしてルール無くグループLINE(ライン)を利用することは、子供に心的外傷(トラウマ)を負わせる危険性があります。

それはエンカウンターグループを見ても解るように、大人でさえも注意を払うべき問題です。

ですからグループLINE(ライン)の利用にあたっては、明確なルールを示すべきです。

 

学校における対応策としてのルール

あくまで私の個人的な考えではありますが、理想としては学校で明確にグループLINE(ライン)の使用を禁止する校則を作ることです。

理由は明快、「昨今のLINEいじめの問題を鑑みて、学校としてグループでのLINE(ライン)の利用を禁止します。」の一文でOKでしょう。

LINE(ライン)も仲の良い友達同士の、1対1のやり取りであれば、いじめなどの過激な発言には発展せずに、お互いの相談で済むものです。

問題は学校がグループLINE(ライン)を明確に禁止して、家庭に通知することで、家庭での注意がしやすくなることであり、子供たちに当然のルールとして周知できることです。

補足説明
スマホやSNSの利用など、日頃から注意喚起を行う意味で、ノーメディアデーを推進することもおすすです。詳しくはこちらの「ノーメディアデーの意味と効果とは?心理の専門家が取り組み方を解説」をご覧ください。配布用の資料もダウンロードできます。

 

家庭での対応策としてのルール

そして家庭環境は、子供にとって休息の場であり、外部から刺激されない自分だけの時間であるべきです。

それは学校の友達関係や、部活などで感じたストレスを、解消するために確保された、守られた空間であり、時間であるべきだといえます。

大人だって、仕事で疲れて帰ってきたら、同僚や上司から頻繁にグループLINE(ライン)が入るなんて、全く休めないし嫌ですよね。それと同じです。

ですから、家では夜間(例:21時以降)はLINE禁止をルールとして通知すると良いでしょう。

そんなこと言っても、中学生にもなれば親の言うことなんて聞かないと、言われる親御さんも居るでしょうが、大切なのはルールとして子供たちに周知することです。

 

ルールが存在することが心にブレーキを掛ける

これらの対策をとっても、学校のごく一部の友達の間では、グループLINE(ライン)が利用されることでしょう。でもそれでいいのです。

グループLINE(ライン)が禁止されているという、公のルール(校則)が存在することが、子供たちの心の中に一線を引かせます。

その結果、いざそのグループLINE(ライン)に誘われても、「校則で禁止されてるから」と断りやすいし、そこから抜けることに関しても、「学校にバレるとヤバイ」と抜け易くなります。

そして家のルールとしての夜間の使用禁止も、夜間の友達からのLINE(ライン)を無視する理由になります。「家が厳しいから、夜遅くまでLINEしてると、スマホ取り上げられる」それでOKなのです。

グループLINE(ライン)は、参加しないのが当然で、参加することに後ろめたさを持ってもらえればいいのです。

それが交通ルールで設けられた制限速度と同じように、心にブレーキを掛ける効果となります。

 

”メンバーズブログ"

子育てにおけるルールについて感じたこと

子育てにおけるルールについて感じたこと

ここまで、中学生のグループLINE(ライン)のいじめ問題について、私なりにその原因と改善法を詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

では最後にいくつか、お話しして終了したいと思います。

 

厳密すぎる管理は子供のストレスになる

スマホやLINE(ライン)などのルールを作っても、厳密には管理せずに、子供たちにある程度委ねることが大切です。

逐一管理して目を光らせていれば、それが反って子供たちのストレスとなり、反抗心を駆り立てることになります。

ですから、あまりに逸脱してるときや、気が付いた時に声掛けして注意するぐらいで、引き締めすぎないように注意してください。

厳密すぎるルールは反って逆効果になりかねませんので、親としても心に余裕をもって、子供と向き合えるようにしていきましょう。

 

人はルールが存在した方が安心して楽しめる

スポーツやゲームなど、ルールが明確に決まっており、誰もが守るからこそ、人は楽しんでプレイすることが出来ます。

公に認められている明確なルールは、それに従うだけで、ある種の安心感を与えてくれるのです。

私たち大人でさえ、法律などの公に定められたルールに従っているから、円滑な日常生活を送ることが出来ています。

ですから必要に応じて、家庭にルールを作り、子供に従わせることを恐れないでください。

 

親として子供を育てるためのルール

確かに子供に自由を与えることも大切です。

でも大人となって自立するまでは、守られた範囲の中の自由の方が居心地が良いでしょう。学校生活の合間にある、夏休みぐらいで丁度いいのです。

自分で収入を得て、責任を取れる社会人になれば、自然と自分で自分にルールを定められるようになります。

ですからそれまでは、親としての考えを明確なルールとして与え、適度に見守ってあげてください。

そんな明快な関わり方が、子供にとっても安心できる環境になるのだと、私は感じるのです。

 

井上のオーラ診断

学校配布用の資料

学校や教育関連、地域の子供会等でも利用できるように、グループラインの注意点をまとめた資料を作ってみました。

下記の画像をクリックすると、PDFでダウンロードできますので、ご自由にお使いください。

なお、著作権は当方にありますので、改編などはご遠慮いただき、学校教育や家庭での利用にお役立てください。

この記事が長いので、配布元のこちらにリンクを繋ぎたいときには、「https://inoue.myearth.jp/170911line-izime/#i-4」で繋ぐと、直接ここが開きます。

最後に、井上は心の専門家として各地でのセミナーや講演依頼も承っております。ご希望の方は「井上への講演、講師依頼はこちら」よりお気軽にお問い合わせください。

↓こちらをクリックしてダウンロード↓
グループラインの注意事項

 

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