井上直哉
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こんにちは。
心理とスピリチュアルの専門家 井上直哉(@my_earth_naoya)です。
私が男性からの相談を伺うと、比較的多いのがうつ気味で会社に行けず休職中の方です。
もともと女性に比べ、男性が相談に来ることは少ないのですが、それでも実際に相談に来るときには、すでに通院されていたり、お薬を服用しているケースが多いといえます。
それだけ男性は、メンタルな問題に関して我慢し続けてしまう傾向が強く、悩みを誰にも相談できないものです。
特に仕事上の人間関係や過労などでストレスが蓄積しても、頑張りすぎるあまり感覚が麻痺して、ある日突然会社に行けなくなることがあります。
肉体と精神の限界にきて、初めてもうこれ以上は無理だと、心と身体が拒否するのです。
今回はそんなメンタルな問題で休職した方が、会社に復帰して復職を成功させる上で、知っておいた方がいいご自分の状態について、心理の専門家として解りやすくお話しします。
そしてもしあなたが、この記事を読んでなるほどと納得されるなら、この内容を会社のメンタルヘルスの担当者や、さらには復帰先の職場のメンバーにも見ていただいた方が良いでしょう。
あなた自身と、会社のメンタルヘルス担当者、そして現場のメンバー、この三者が、うつになった人の心の状態をシッカリと理解する必要があります。
それができて初めて、職場復帰の成功率が上がりますから、復職するための環境を整えるつもりで、取り組んでみてください。
<目 次>
日本企業のメンタルヘルスに関する実態
まず最初に知っておくことは、日本の企業のメンタルヘルスに関する現状です。
それは決して、会社のメンタルヘルスへの取り組みがどうとかではありません。日本の企業にはどれくらい、うつなどのメンタルな問題で休職している社員がいるのか。復職の状況は。
それを知って欲しいのです。
厚生労働省のメンタルヘルスに関する調査結果
これから取り上げる資料は、厚生労働省のメンタルヘルスに関する調査結果です。
元となるデーターは、こちらの「統計情報・調査情報|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・サポートサイト」に掲載されています。
サイトのPDFで配布されている「職場におけるメンタルヘルスケア対策に関する調査」結果から、ポイントのみ解りやすいように引用しました。
この調査は平成23年に企業向けに実施されたもので、決して新しいものではありませんが、そのデータからも現在の大まかな状況が読み取れますので、まずはこちらをご覧ください。
メンタルヘルス不調者がいる会社の比率
最初にお見せするのは、「メンタルヘルスに問題を抱えている社員がいるか?」という問に関する回答のデータからです。
これは必ずしも、うつのように診断を受けた人だけではなく、メンタルヘルスに問題を抱えていると、自覚のある社員が勤務しているかです。
ご覧いただくと解るように、すべての企業の平均を見ると「56.7%」が、「メンタルヘルス不調者がいる」と答えています。
全国の企業の半数以上が、メンタルヘルスに関する問題を持っており、特に社員数が1,000名以上の会社であれば、7割以上に不調者が居るのです。
※画像引用:「職場におけるメンタルヘルスケア対策に関する調査」結果
メンタルヘルス不調での休職や退職があった会社
次にご覧いただくのは、過去一年以内にメンタルヘルスに関する不調で、1カ月以上休職した人や退職者がいた割合です。
こちらは25.8%ですから、実に4社に1社は休職者や退職者が居ることとなります。
ちなみにこれは、あくまで1年以内ですから、実際にその期間を、例えばこれまでの5年間にという基準で集計すれば、さらに増えることとなるでしょう。
最初に申し上げたように、潜在的に問題を抱えている人も多いでしょうから、あくまで一定期間内に表面化した結果です。
※画像引用:「職場におけるメンタルヘルスケア対策に関する調査」結果
復職に成功した人の割合
では、うつなどのメンタルヘルスの不調から休職した人が、どの程度復職に成功して、職場復帰を果たしたのでしょうか。
これはグラフではなく、休職者がその後どのような経緯をたどったのか、パターン別に比率で出ていますから、詳しく見ていきましょう。
簡単にポイントまとめると、復職できた人は平均37.2%ほど、そして結果的に退職された方は平均34.1%となりますから、復職出来るか退職するかは、ほぼ同じぐらいの割合といえます。
ですがここで1つ大きなポイントがあります。それは会社がメンタルヘルスに取り組んでいると、復職率が+11.6%も上がることです。
※画像引用:「職場におけるメンタルヘルスケア対策に関する調査」結果
職場復帰する上での障害とは?
そして最後にこちらのデータをご覧ください。
先ほどのデータからも、会社がメンタルヘルスに取り組んでいると、復職率が上がることは解りました。では実際に休職後に職場復帰する上で、何が一番障害となっているのでしょうか。
うつなどのように、正確な医学的情報の有無が問題となるケースもありますが、一番大きな障害は、「どの程度仕事ができるかわからなかった」というものです。
この問題を解消することができれば、復職が成功する割合を飛躍的に上げられるのです。
※画像引用:「職場におけるメンタルヘルスケア対策に関する調査」結果
厚生労働省のデータから解ることは
これまで順番にデータを見ていただきましたが、このデータからも、現在の日本社会におけるメンタルヘルスケアについて、多くの傾向が読み取れます。
ではここで、今回課題となっている休職者の復職を考えた上で、そこから解る重要なポイントを3点ほどまとめていきましょう。
1、職場のメンタルヘルスケアは日本企業共通の課題
現在の日本社会において、企業の4社に1社が、メンタルヘルスの不調による休職者や退職者を出しており、6割程度の会社にメンタルヘルス不調者がでています。
この問題は特定の会社や個人に限ったことではありません。
厚生労働省が、平成18年3月に「労働者の心の健康の保持増進のための指針」を公表し、国としても職場環境の改善に取り組み始めています。
ですから、あなたがうつのような心理的な問題を抱え、休職してしまったことは、現在の日本企業のどこでも起こっている問題であり、国としての課題ともいえるのです。
まずは自分一人の特別な問題ではなく、日本社会として取り組むべき課題であることを、しっかりと認識して、心に残っているような負い目があれば、それを取り払っておきましょう。
2、会社がメンタルヘルスケアに取り組むと復職率が10%以上向上
また企業の中には、すでにメンタルヘルスケアに取り組んでいる会社も多く、それにより復職率を平均して10%以上向上させています。
ですから、休職中のあなた自身はもちろん、会社がメンタルヘルスケアへの意識を持つことで、確実に職場環境を改善させ、復職を成功に導いているのです。
職場復帰への取り組みを、自分一人だけの問題や課題と考えずに、会社と職場、そして医療機関などと協力し合って進めていくものだと、改めて認識しましょう。
大切なことは、復職に関しても自分が何とかしなくてはと、一人でプレッシャーを背負わないことです。
3、職場復帰には同僚や上司など周囲の理解が大切
現在のあなたが、うつにより休職中で今後の復職を考えているなら、すでにあなたの心は回復し始めて、少なからず心に余裕が生まれ始めてると思います。
でも振り返って感じてみれば、それは以前のように大きな余裕ではなく、僅かながらに感じられる心の隙間ほどではないでしょうか。
そこで大切になってくることが、あなた自身と、会社のメンタルヘルス担当者、職場の上司や同僚の3者が、共通の認識であなたの心理的な状態を理解できることです。
先のアンケートにもあるように、あなたが「どの程度仕事できるかわからない」ままでは、職場復帰しても返ってお互いのストレスとなります。
その点をシッカリと、理解し合う必要があるのです。
うつの人の心理的な状況を理解する
あなた自身、うつになってからの自分の心の状態が、いまいちよく解っていないと思います。
いつも「こんな状態ではなかった」とか、「おかしいな」と思いつつも、自分の思い通りにならない心の状態に、困惑していることでしょう。
ですからまずは、私が心理とメンタルヘルスの専門家として、当事者であるあなた自身に、あなたの心の状態をお話ししておきましょう。
あなたの「こころ」がある場所
私たちはとかく勘違いしやすいのですが、「こころ」とは肉体と違い、目に見えない気持ちの問題だから、気の持ちようで何とかなると思いがちです。
「こころ」と「肉体」を別のものとして捉えているから、誰もが心の反応や不調を理解できずに戸惑ってしまうのです。
でも考えてもみてください。あなたの「こころ」はどこにあるのでしょうか?紛れもなくあなたの身体の中ですよね。
そう、一番適当な場所は、人間の「こころ」を司る臓器。「心臓」だと言えるでしょう。
こころがドキドキすると言えば、心臓の鼓動が早まるように、まずは心臓があなたの「こころ」を司っていると認識してみましょう。
うつなどの心の不調は肉体の不調と同じ
こころも肉体の一部だと考えられれば、あとはさほど難しくありません。うつも肉体の不調だと考えればいいだけです。
例えば、あなたがプロのスポーツ選手(会社員)として、そうですね、野球のピッチャーとして仕事(技術職)をしているとします。
もちろんピッチャーのあなたが酷使するのは、身体の肘や肩(心や頭脳)です。毎回真剣勝負で試合(仕事)に臨み、肉体を駆使して結果を出していきます。
でもあなたのチーム(職場)には、あなたに変われる人が居ません。みんなそれぞれが守備(担当業務)についており、それでようやく試合(仕事)ができているのです。
誰に手伝ったもらうことも、変わってもらうこともできずに、あなたは一生懸命投げ続けます。
こころも酷使しすると負傷する
気が付けば連続登板はもとより、1日2試合もざらではなく、どんどん肘や肩(心や頭脳)を酷使しし続けます。
ですが決して試合(仕事)を休むわけにはいきません。自分が試合に出なければ、チームのメンバーに迷惑がかるし、プロとしてそんな自分も許せないからです。
そしてあなたはチームのために必死に投げ続け、ある時マウンドに膝をつき。ついに倒れるのです。そう、ある日突然身体が動かなくなるのです。
肘と肩(心や頭脳)を酷使し続けた結果、もう腕(気持ち)が上がらなくなります。これがうつの実態です。
肉体を酷使し続けて負傷したのと同じように、あなたは心を酷使し続けて、負傷してしまったのです。
うつの回復への軌道と復職への過程
きっと当事者のあなたなら、ここまでの話がまさに自分の状態を表していると、納得がいくことでしょう。
では、そんな休職中のあなたが、うつから回復して復職を成功させるためには、どのようなステップが必要なのか、職場復帰までの過程を見ていきましょう。
これは職場へ復職するためのメンタルヘルスの取り組み方です。
こころが折れても自然治癒力で回復
まず冷静に、自分の心が折れてしまったことを、改めて認識しましょう。大丈夫、それは腕の骨が折れたのと同じで、適切な対処をすれば自然と戻ります。
それは、骨が折れても治るのと同じように、自然治癒力で回復するものなのです。
もしあなたが腕の骨を折ったなら、まずは石膏で固めて数ヶ月安静でしょう。それは腕に刺激を与えずに、自然と回復するのを待つためにです。
それと同じように、こころが折れてうつになった方も、まずは一人になって引きこもります。石膏で固めて刺激を与えないように、自分の心を外部の刺激から遮断して守るのです。
この時に周りの人ができることは1つだけです。ただゆっくりと回復するのをまってあげることだけ。
誰もが復職を考えるタイミング
それから時間が経つと、少しずつ心の状態が回復してきて、日常生活を送れるようになるでしょう。もうギブスを外したり、部屋から出て来るぐらいなら、大丈夫かもしれません。
それは腕の骨がくっ付いてきて、日常生活ぐらいなら支障が無くなるのと同じように、うつで折れた心も回復して、日常生活ぐらいなら、こなせるようになっているのです。
きっと休職して、これから復職をと考えているなら、今のあなたはまさにこの段階だと言えるかもしれません。
気持ちも少なからず落ち着いて、職場への復帰をふくめ、今後のことを少しずつ考え始めるのです。
復職はリハビリから始める
では、ここで1つ質問です。
肘や肩を痛めたピッチャーが、次にすることは何でしょうか?いきなり試合(仕事)に出ようとするでしょうか?
そんなことはないですよね。時間を掛けてのリハビリが始まります。まずはボールを握る(人と会う)こと。落ちてしまった腕の筋力(心の余裕)を最初から養うことです。
間違ってもいきなり全力投球をして、また肘や肩(心や頭脳)を痛めることはしないでしょう。自分で様子をみながら、じっくりと時間を掛けて、リハビリをするのです。
あなたの肘や肩(心や頭脳)の回復具合が解るのは、あなた自身と(心理の)専門家だけなのです。復職のためのメンタルヘルスに関する取り組みも、これと同じです。
新しい自分のペースとスタンスを作る
でもここで、大切なことなので、あらかじめ申し上げておきます。
あなたの折れた心を、負傷する前の状態に戻そうとは、あえて思わないでください。というのは、最初からその負傷前の状態が、普通ではなく、かなり無理をした過負荷な状態だからです。
だからこそ、あなたは心を負傷したのですから、決してその状態に戻そうなどとは思わずに、改めて新しい自分のペースやスタンスを見つけると思ってください。
多くの人があれだけ大変で、疲労骨折までしたのに、その状態にまた戻そうと無理をしてマウンドに立ち、再び心を折ってしまいがちです。
職場復帰する上で必要なのは、自分が無理なくこなせるペースやスタンスを見極めること。心の余裕を使い切らない、マイペースを見つけることです。
心に負担を掛けずにチームに参加する
それはこんな風に考えると、解りやすいかもしれません。
毎試合、先発から出ていたピッチャーが、肘と肩を痛め戦線離脱して、リハビリに入ります。そして回復して復帰するときには、ピッチャーではなく守備や、バッターとして戻ってくるかもしれません。
中には、チームを後ろで支える、バッティングピッチャーとしてチームに戻る人もいるし、マネージャーのようにチームのバックアップに回る人もいるでしょう。
もちろん、球種やフォームを変えて、ワンポイントの中継ぎとして、試合に復帰する人もいるかもしれません。
大切なことはあなたが痛めた肘と肩(心と頭脳)に、負担を掛けずにチームに参加できる方法を見つけること、自然体でできる新しい自分のスタンスを見つけることです。
復職を成功させる会社や職場の理解
いかがですか?休職していたあなたが、これから職場復帰をするにあたり、何をすればいいのかも、大体見えてきたと思います。
そこでさらに、復職の成功率を上げるために必要なのが、会社のメンタルヘルス担当者と職場のメンバーの理解、事業場外資源によるケアです。
理屈では解っていても頼られる
もしあなたが、肩と肘に包帯を巻いて会社に出くれば、職場のメンバーは何も言わなくてもあなたを気付い、無理をさせることはないでしょう。
でもうつなどの心の不調ではそうはいきません。目に見える傷があるわけではないので、あなたが完全復帰したように勘違いしてしまうのです。
誰しも理屈では、そうではないと解っていても、つい以前のように頼ってしまいがちになります。
以前のあなたが、仕事ができる人であればあるほど、メンバーも無意識に頼りたくなるものなのです。
以前とは違うことを納得してもらう
ですから、事前にこの内容を印刷して読んでいただき、うつで休職することがどのようなことなのか、理解してもらいましょう。
職場に復帰しても、まずはリハビリとして様子をみる必要があること。以前のようにはいきなりマウンドに立てないことも、あらかじめ知っておいてもらうのです。
その上で、以前とは違うスタンスで自分がチームに加わることを、納得してもらう必要があります。
それによりようやく「どの程度仕事ができるかわからなかった」という問題もあるていど解消され、復職の成功率が上がるのです。
事業場外資源によるケアも取り入れる
そして可能であれば、外部の産業カウンセラーなど、心理の専門家の声を取り入れ、職場の方たちにも助言していただきましょう。
こちらの「職場のメンタルヘルスを支援する「事業場外資源によるケア」とは」でも、職場のメンタルヘルスを支援する「事業場外資源によるケア」の必要性を詳しく解説しています。
大切なことは、あなたが新たな自分のスタンスを見つけること。そして会社と職場のメンバーの協力を得て、マイペースでチームに参加できることです。
無理なく一歩一歩、自分のペースを見つけていきましょう。
仕事との向き合い方について
最後に、私は会社に勤務している人が、仕事との適度な距離感を保ちながら、心の健康を維持できるように、こちらの「ビジネスパーソンのための心を活かすメンタルヘルスセミナー 動画講座」を作りました。
この動画セミナーでは、より実践的に仕事とプライベートにメリハリを付け、心の余裕を保ちながら生活をするための方法をレクチャーしています。
そちらには、現状を確認するための「メンタルヘルス診断」などもあり、現状の自分の状態をより客観的にチェックできるので、よろしければ参考にしてください。
また、井上は各地でのセミナーや講演依頼も承っております。動画セミナーの内容も、社内研修としてセミナーを行うことが可能ですから、ご希望の方は以下のリンクよりお気軽にお問い合わせください。
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