井上直哉
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こんにちは。
心理とスピリチュアルの専門家 井上直哉(@my_earth_naoya)です。
心理学の世界やスピリチュアルに関わっていると、「トランス状態」とか「変性意識状態」という言葉を耳にすることがあります。
この2つの言葉は、ある意味、同じ意識状態を表す言葉だといえますが、私が心理セラピーやスピリチュアル携わっていると、その意味が多少異なっているように感じます。
今回のブログでは、このトランス状態の意味と、変性意識状態との違いをスピリチュアルな視点から理解し、それぞれがどのような状態なのかを、私なりに解説したいと思います。
そして最後では、そんなトランス状態に入る方法についても、紹介していきましょう。
<目 次>
トランス状態と変性意識状態の意味
まずは基本的なところからです。トランス状態と変性意識状態の、それぞれの意味をWikipediaでチェックしましょう。
トランス状態の意味
ではトランス状態の意味から見ていきます。
Wikipediaでは「トランス(意識): trance」という言葉として解説がありますので、そちらから一部を引用します。
トランス (英: trance) あるいはトランス状態とは、通常とは異なった意識状態、つまり変性意識状態の一種であり、その代表的なものである。
入神状態と呼ばれることも、脱魂状態や恍惚状態と呼ばれることもあり、リハビリテーション、教育、スポーツなどの幅広い領域へと応用されている。
Wikipedia引用:トランス(意識)
いつも難し目なWikipediaの解説にしては、比較的解りやすいですよね。
簡単に要点をまとめると、トランス状態とは変性意識状態の一種で在ると述べています。
変性意識状態の意味
では変性意識状態とは、どのような意味でしょうか?同じくWikipediaの解説を見ていきましょう。
変性意識状態(へんせいいしきじょうたい、英: altered state of consciousness, ASC)とは、日常的な意識状態以外の意識状態のことである。
変性意識状態の代表としてトランス状態を挙げることができる。
Wikipedia引用:変性意識状態
こちらはさらに簡単にまとめています。
私たちの日頃の意識状態とは異なるのが変性意識状態で、「変性意識状態の代表としてトランス状態を挙げることができる」とも記載されていました。
トランス状態と変性意識状態の関係性
ここまでのWikipediaの解説からも、お解りいただけたと思います。
「トランス状態」という言葉と、「変性意識状態」という言葉の意味は、同じような意識状態であると受け取れる半面、その関係性は「=(イコール)」ではなく、「<(小なり記号)」に近いようです。
✖:トランス状態 = 変性意識状態
〇:トランス状態 < 変性意識状態
もう少し正確にいうと、変性意識状態が私たちの日常的な意識とは異なる状態で、トランス状態は変性意識状態の一部であると読み取れます。
図に表すとこんなイメージです。
変性意識状態とは日常と脳波が違う
トランス状態と変性意識状態の関係性が解ったところで、ここからはさらに詳しく、それぞれの意識状態がどんなものか、その意味をみていきましょう。
まずは「変性意識状態」からです。
変性意識状態とは具体的にはどんな状態?
Wikipediaには、変性意識状態のさらに詳しい解説として、このような内容が書かれていました。
通常の覚醒時のベータ波意識とは異なる、一時的な意識状態をさす。人々がその体験を共有することも可能であり、社会学分野において研究対象となっている。
変性意識状態は「宇宙」との一体感、全知全能感、強い至福感などを伴い、この体験は時に人の世界観を一変させるほどの強烈なものと言われる。
その体験は精神や肉体が極限まで追い込まれた状態、瞑想や薬物の使用などによってもたらされるとされる。また催眠等による、非常にリラックスした状態を心理学でこういうこともある。
Wikipedia引用:変性意識状態
まず、この内容の要点はここ、「覚醒時のベータ波意識とは異なる、一時的な意識状態」です。
私たちの日常生活での脳波(ベータ波)
これを心理の専門家として、もう少し優しくかみ砕いて解説すると、こういうことです。
私たちの意識とは、日常生活ではベータ波といわれる脳波で生活を営んでいます。
これは能動的に活動しているときや、思考に意識が集中しているときなど、私たちが日常で主体的に生きているときの脳波です。
ですがこの解説では、変性意識状態とはそれとは異なる脳波でいるときだと述べています。
変性意識状態は異なる脳波とは?
そこで出てくるのが、末尾の「催眠等による、非常にリラックスした状態を心理学でこういう」という一文です。
催眠療法は私の専門分野でもあります。その点から話すなら、催眠状態とは人がリラックスして、脳波がシータ波やアルファ波へと移行した状態です。
それは肉体的にも精神的にも緊張がほぐれた状態で、とても安心できている心理状態だともいえるかもしれません。
ですからこの解説では、変性意識状態とは、催眠状態と同じ、脳波がシータ波やアルファ波へと、移行している状態であると解釈できるのです。
変性意識状態の要点をまとめると
そこでさらに内容を見ていくと、「宇宙との一体感、全知全能感、強い至福感」とか。
「精神や肉体が極限まで追い込まれた状態、瞑想や薬物の使用などによってもたらされる」など。
とてもスピリチュアルであるとともに、少し過激な内容が書かれていますが、この点は記述者の主観的な見方が強く、客観性に欠けるので、後ほど詳しく解説していきましょう。
まずはここでは、「変性意識状態とは、心身の緊張がほぐれて、脳波がシータ波やアルファ波に変わった状態である。」という点を解釈してください。
トランス状態とは表面意識が失われる
では続いて「トランス状態」についても、さらにその意味を詳しく読み解いていきましょう。
トランス状態とは具体的にどんな状態か?
まずはWikipediaに記載の在った、この内容からです。
トランス状態の見かけの程度というのは、全身の痙攣を伴う激烈なものから、あくびを繰り返すだけの軽度のものもあり、さらには他者からの観察では通常の状態と全く変わらないものまで、さまざまなヴァリエーションがある。
トランス状態には以下のようなものがある。
- 催眠によって表層的意識が消失して心の内部の自律的な思考や感情が現れるもの。
- ヒステリーやカタレプシーにより意識を喪失したもの。
- 宗教的修行によって、外界との接触を絶ち、法悦状態になったもの。
Wikipedia引用:トランス(意識)
トランス状態の意味を解釈する上で、重要なところを抜粋してみました。
この内容から、いくつか読み取れるポイントがあるので、順番に見ていきましょう。
トランス状態は見た目で判断できるか?
まずは「トランス状態の見かけの程度~さまざまなヴァリエーションがある。」の部分です。これは簡単に言えば、「見かけでは解らない」っということを意味します。
トランス状態は変性意識状態の一部ですから、先ほども述べたように、脳波がシータ波やアルファ波に移行している状態です。
でも基本的に、脳波計などで測定しないかぎり、正確にはその人の脳波を確認することはできません。
心身がリラックスすれば、人の脳波は自然とシータ波やアルファ波に移行しますが、どの程度その人がリラックス出来ているかにも、個人差があります。
ですから見た目だけでは、トランス状態に入っているのかは判断できないと言えるでしょう。
瞑想に習熟した人や、催眠療法士、チャネラーなど、日常で変性意識状態に関わる多くの専門家は、スピリチュアルな視点でクライエントの状態を見て、トランス状態に入れているかを判断するケースはあります。
トランス状態を定義すると
続いては「催眠によって表層的意識が消失~法悦状態になったもの。」までの、3項目のトランス状態を表す記載です。
この中の「表層的意識が消失」、「意識を喪失」、「法悦状態」には、共通する内容が含まれています。それは「表面意識(顕在意識)」が失われた状態であるという意味です。
ここで注意が必要なのは、あくまで表面意識が失われた状態であり、意識を失った状態ではないということです。
もう少し解りやすくいうと、意識がありリラックスして周囲の状況は認識できているけど、思考や判断をしてい無い状態だということです。
そう、リラックスして脳波がシータ波やアルファ波となっており、なおかつ明確な意識があって、思考や判断をしていない状態。それがトランス状態だと言えるでしょう。
チャネリングはトランス状態か?
Wikipediaのトランス状態の記載には、こんな一文もありました。
トランス状態に入るのにはさまざまな方法があり、たとえばイタコの場合は祭壇で呪文などを唱える。沖縄のユタの場合はそれとは異なった手順を経る。西アジアのシャーマンのように特殊なものを火に注いでその煙を吸う例もある。
Wikipedia引用:トランス(意識)
これは以前にこちらの「【完全版】チャネリングとは?スピリチュアルなやり方と大切な注意点」で解説した、チャネリングを行うシャーマンや霊媒が、トランス状態であるという意味です。
その可否について結論を言ってしまえば、明確な意識があるチャネリングではトランス状態だといえるでしょう。
ただ日本で古に存在した巫女のように、意識が無くチャネリングの内容を覚えていない状態では、トランス状態とは言えないと考えます。
巫女についてはこちらの「前世が「お姫様、魔女、巫女」という人の特徴をスピリチュアルに解説」でも、スピリチュアルで興味深い内容を紹介しています。
結論:トランス状態と変性意識状態の違い
それでは、それぞれの意味や状態について解説したところで、一旦トランス状態と変性意識状態の違いについて、私なりに整理してまとめたいと思います。
その上で、どうすればその状態に入れるのか?その方法を見ていきましょう。
ここまでの解説を整理すると
まずはトランス状態と変性意識状態についての、ここまでの解説を整理すると、こういうことです。
- トランス状態とは変性意識状態の一種である。
- 変性意識状態とは、日常とは脳波が異なる。
- トランス状態や変性意識状態は、脳波がシータ波やアルファ波となる。
- トランス状態や変性意識状態は、見た目では判断できない。
- トランス状態とは、明確な意識があるが表面意識が失われた状態である。
ではこれらの内容をもとに、トランス状態と変性意識状態の違いを明確にします。
トランス状態と変性意識状態の違い
トランス状態と変性意識状態の共通点は、心身ともにリラックスして、脳波がシータ波やアルファ波に移行している状態です。
そして違いは、トランス状態では、明確な意識がありながらも、思考や判断をしていない状態だということ。
変性意識状態とは、表面意識(顕在意識)が保たれているかどうかが違うのです。
表面意識(顕在意識)とは、判断する自己ですから、色々なことを考えていたり思案しているなら、まだ表面意識が優位だということ。
その状態では、変性意識状態でもトランス状態にまで入ったとは言いません。トランス状態とは、さらに深く心が統一された、スピリチュアルなレベルの意識状態なのです。
無我の状態がトランス状態
もう少し言い方を変えていうと、このように言えるかもしれません。
心と身体がリラックスして、脳波がシータ波やアルファ波になっていても。
変性意識状態では、まだ「自我」が優位となっており、色々と思考したり、さまざまな感情が浮上して、思いを巡らせている状態です。
ですが、トランス状態では「無我」となっており、何も考えず、感情的にもならず、思いも巡らせることがない状態。何も判断せずに、感性で生きている状態です。
これが瞑想や禅で至る意識状態であり、スポーツなどで体験するゾーンといわれる領域であるといえるのです。
自分でトランス状態に入る方法
では、変性意識状態とトランス状態の違いが明確になったところで、いよいよ最後のトランス状態に入る方法について解説していきましょう。
それはある意味で、無我の境地に至る方法とも言えます。
変性意識状態やトランス状態に入る上での注意
まず大切なことなので、最初に申し上げておくと、変性意識状態やトランス状態に入るための方法として、ハーブや薬物などを利用してはいけません。
というのも、その方法ではトランス状態に至ることはできず、場合によっては、自らの意識状態をコントロールできなくなり、幻聴や妄想に捕らわれるなど、心と身体への負担が大きいからです。
それは一次的なことで収まらず、状況によっては、現実と幻想の境界が別けられない状況にもなりかねません。ですから興味本位であっても、安易に試そうとはしないことです。
そんな遠回りをしなくても、私たちはもっと速やかに、安全な状態で変性意識状態に入れますし、後は訓練次第でトランス状態にも至れます。
トランス状態への入り口
私たちは瞑想に取り組めば、さほどかからずに変性意識状態に入れます。
もともと中国の詩人で文学者の「欧陽脩(おうようしゅう)」が、良い考えの生まれやすい状況について、「三上」という言葉を残したように、馬上、枕上、厠上はとてもリラックスしやすい場所。
「馬の上(車上)」、「布団の上」、「便器の上」は、日常でも自然と変性意識状態へと移行し易い場所なのです。私たちは気を抜いて落ち着くだけで、自然とリラックスするものです。
ですから、例えばこちらの「【完全版】グラウンディングのスピリチュアルな意味とその効果とは?」でも解説した、グラウディングの瞑想でも、自然と変性意識状態に入っていきます。
まずはそんな瞑想に取り組んで、変性意識状態を保てるようになることからです。
トランス状態に至るためのポイント
私たちが、リラックスした変性意識状態に入ると、肉体の筋肉はほぐれ、心の執着や観念が緩みます。それにより、それまで溜めていた様々な感情や疲れなどのストレスが、自然と身体と心の中から浮上し始めるのです。
それはスピリチュアルな視点から観察すれば、実際に見ることができるエネルギー的な変化であり、私たちの心と身体の自然治癒力が、活発に動き出したことを意味します。
瞑想などで、眠くなったり、雑念が浮上するのは、それらのストレスの浄化が原因ですから、そんなエネルギーの流れに翻弄されずに、意識を保てるように試みましょう。
瞑想をしながら、心の中で呼吸の回数を1から~数えていき、意識が散漫になって、数えるのが途切れたらまた1~呼吸を数え始める。
そんな方法から、変性意識状態でも意識を保てるように訓練するのです。
こちらの「心と体のバランスを整える!初心者でも2分で出来るマインドフルネス瞑想」では、初心者向けの瞑想法も詳しく紹介していますから、そんな簡単なことから始めても良いでしょう。
日常をトランス状態で生きる
あなたが根気強く瞑想に取り組めば、そんなストレスの浄化が終了して、ある時、意識が覚醒するような、そんなハッキリとした意識状態に至るでしょう。
それは瞑想しながら、何も考えず、何の感情もなく、何も思いめぐらさない状態。それが無我の境地であり、真のトランス状態といえます。
厳密にいえば、私たちは日常生活でも、瞬間的にトランス状態に入ることがあります。それは何かに集中して周りの声や音が聞こえていないときです。
自然の美しさにありありと感動する、そんな瞬くような瞬間です。きっとあなたも、体験したことがるでしょう。
その心の静寂が、まさにトランス状態のフィーリングなのです。
スピリチュアルに今を生きる
でもどうせなら、そんな意識が覚醒して、本来の生まれ持った感性が蘇る、スピリチュアルな体験をより多くしてみたいと思いませんか?
それはまさに、「今に生きる」という言葉を、現実に体現するような意味をもちます。
子供のような心で今を生きよう
そこで少しだけ紹介すると、私がセミナーで教えている魔法の言葉のスキルは、あなたをよりスムーズに癒して、日常でリラックスした変性意識状態へと促してくれます。
そして自然なトランス状態へと導いてくれるのです。
そのスキルは、速やかに心に残ったストレスを浄化するとともに、あなたの意識を肉体にとどめ覚醒させる、とても有効な手段です。
誰もが容易に実践できて、瞑想よりも手軽に始めることができます。
トランス状態で生きるとは
日常をトランス状態で過ごせるようになれば、私たちは迷いなく直感的に生きられるようになります。そしてより多くの美しさと喜びを、感じられるようになるのです。
そう、それは常にトランス状態で生きている、あの幼い子供たちのように、活き活きと在るがままの今を、楽しめるようになるということです。
なぜなら表面意識(顕在意識)とは、私たちが思春期の時に身に付ける、大人としての個性だからです。
そんな生まれたての素の自分に戻ること、それがトランス状態の自分になることなのです。
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