井上直哉
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こんにちは。
心理とスピリチュアルの専門家 井上直哉(@my_earth_naoya)です。
今回は、私自身の前世療法体験談を、お話ししましょう。
私自身、催眠療法士としてセッションをしていますから、もちろん前世療法も数多く体験してきました。そして、自分の前世の記憶についても、いくつも思い出しています。
今日は、そんな私自身の経験談の中から、特に印象深かった前世の記憶について、お伝えしたいと思います。
それはまだ、2000年代になる前に、私が初めて前世療法を受けた時に思い出した、前世での出来事です。
そしてさらに、後半ではある女性の実例を紹介して、思い出すことで大きな癒しが起きる、前世の記憶の特徴についても、解説したいと思います。
少し長くなりますが、きっととても興味深くご覧いただける内容になると思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
<目 次>
初めての前世療法体験
私が最初に、前世療法を受けたのは、もう20年以上前のこととなります。
まだ会社勤めをしながら、心理やスピリチュアルについて、色々と勉強をしていた頃です。
風邪で熱を出しながらも受けた前世療法
私は、東京都内のあるセッションルームで、前世療法を受けていました。
そこでは、2日間に渡ってワークを受け、前世の記憶にまで遡る体験をするのですが、それは私にとって初めて試みる、催眠療法のセッションでもありました。
実はその日は、風邪気味で38度近い熱を出していましたが、返ってそれが退行催眠をする上で、好条件を作り出していたのかもしれません。
そんないつもとは違う、少し虚な気持ちのまま、自分の記憶をひも解いていく作業を、一歩ずつ進めていったのです。
私が前世療法を受けた目的
私が前世療法を受けようと思ったのは、この前世の記憶を思い出す体験が、人の意識を成長させる、切っ掛けになると感じていたからです。
私自身、それまでの体外離脱体験から、人が本来は霊的な存在であり、死を迎えてもエネルギー的に存在することを知っていました。
それにより、死に対する認識が変わり、人生に対する見方も自然と変化し始めていたのです。
ですから、誰もが死に対する認識を変え、心が成長するためには、この前世療法が最適だと考えたのです。
年齢退行から移行した前世療法
このセッションで、最初に私が前世の記憶を思い出したのは、まだ前世療法を始める前の、年齢退行催眠を受けている時でした。
それは思いもよらない、子供の頃の出来事から突然蘇ってきたのです。
切っ掛けは子供の頃の学校での出来事
年齢退行催眠を始めて、幼い頃の記憶を振り返っている時です。セラピストの誘導で、蘇ってくる子供の頃の記憶。
その時の私の脳裏には、小学校の4年生の時に、クラスで国語の授業を受けている自分の姿が映っていました。
どこか空気が張り詰めているような雰囲気。教室は明る静かですが、周りでは何人かの友達が、コソコソと先生の目を盗んで無駄話をしています。
そんな中、私は何処か緊張した面持ちで、教科書を開いて握りしめていました。
そして前世の記憶が蘇る瞬間
そう次は自分が先生に指されて、教科書を音読する番だと、今の私には解っていました。そして名前を呼ばれ、教室で一人起立して音読を始めます。
とても緊張する瞬間。なっぜかいつも私が教科書を読み始めると、周囲の友達は無駄話を止めて、全員が聞き耳を立てるかのように聞き入るのです。
静寂に包まれて張り詰めた空気、どこかクラスの全員から注目されて、怖いような息が詰まる気持ちになり、私は半ばパニックになったかのように声が震えていました。
そして耐えられなくなり、涙が流れてきた瞬間でした。突然、全く見たこともない情景が見えてきたのです。
蘇る前世の気持ちとその時の情景
私の意識に蘇ってきた景色は、とある古びた教会の礼拝場で、大勢の人たちが席について、その教会の司祭の話しを待っているところでした。
いつものように、日曜礼拝が行われ、誰もがこれからはじまる聖書の話を、嬉しそうに待っているのです。
そして私はその教会で、今まさに祭壇に置かれた、とても大きく分厚い聖書を、読み上げようとしていました。
そう、その前世では、私はキリスト教の牧師として、教会で大勢の人たちに、聖書に書かれている言葉の意味を、話して聞かせていたのです。
その瞬間にとめどなく涙が溢れだし、その時感じていた様々な思いが、私の心の中を駆け巡っていきました。私はその瞬間に理解しました。それが私自身の前世の姿で在ることを。
その時の私は、幼い頃の出来事から、自然と前世の出来事へと移行していたのです。
前世療法セッションの実体験
その日は、段階的に年齢退行催眠を受けながら、時折、先ほどのように前世へと移行し、いくつかの前世の記憶を振り返ってきました。
それは私にとって、とても新鮮で意味深い体験でした。そして何よりも、私が求めていた精神的な変化も促してくれるものだったのです。
失敗した人生を思い出す前世療法体験
そんな前世療法のワークを受け、いよいよ最後の退行催眠を受けるとなった時、深いトランス状態となった私に、セラピストがこう語り掛けました。
さあ、それではあなたが望む前世の記憶へと旅立って行きましょう。どんな人生へと戻りたいですか?
それは意図的に、どんな体験をした前世に戻るかを指定して、退行する経験だったのです。
その時、私がとっさに言った言葉、それが「失敗した人生」でした。
トランス状態とは、催眠療法でクライエントが入る変性意識状態の一種で、とても深い瞑想に入っているかのような状態です。
詳しくはこちらの「トランス状態の意味と変性意識状態との違いをスピリチュアルに解説!」で解説しています。
蘇る前世の記憶と状況
彼女が催眠誘導の言葉を語り掛ける一方で、私はすでにある時代の自分へと、戻っていることを感じ取っていました。
右手にワインの酒瓶を持って、石畳の上を歩いています。古びた上着と、飲みかけの酒瓶。
ここはアメリカの東海岸の港町。立ち並ぶ倉庫の路地を通って、ある場所に向かっています。
彼女は囁くように、私に問いました。
あなたは今一人ですか?
私は込みあげて来る感情を抑えながら、答えました。
ええ、月明かりを頼りに一人で暗い倉庫街を歩いています。かなり酔っているみたいです。
心の奥から湧き上がる前世の思い
倉庫の間の細い路地を抜けると、そこには静かに波打つ海と、誰もいない船着き場がありました。海の上には、満月に近い丸い月が浮かび、その光が水面を明るく照らしています。
私は内心「まさか、、、」っと驚きながら、その成り行きを眺めたのです。
私は岸壁に座り込み、月を眺めながら、持ってきた酒瓶をあおっています。そして。。。
私の中からとても大きな、孤独と悲しみが溢れ出し、いつの間にか涙が流れていました。
感情と共に蘇る前世の記憶への理解
私はその時代、自分の考えや思いを周囲に伝えられずに、孤独を感じながら生きていました。
そして、その気持ちから抜け出せずに、一人悲しみに暮れ一生を終えたのです。
家族に恵まれ、細々と暮らしながらも、自分の理想を現実することが出来ずに、最後は家族に看取られてその世を去りました。
その自己実現できなかった思い、その悲しみが、その前世を「失敗した人生」としていたのです。
前世療法で解った前世の影響
驚くことにその前世療法の体験は、私が学生時代から無意識に好んでいた、ある習慣の理由を教えてくれました。
それは、夜の海に浮かぶ月を眺め、感慨に浸る習慣です。
体験と共に読みがる前世の記憶
私は高校を卒業したぐらいから、夜中に親友と海に行くことが大好きでした。
深夜の12時過ぎに、誰もいない防波堤の上で、押しては返す波音を聞きながら、海に浮かぶ月を眺め、ただ無言で過ごしていました。
すると不思議とこみあげて来る、孤独で切ない思いに、どこか感傷に浸る、私にとっての特別な時間でした。そんなことを、学生時代から幾度となく繰り返していたのです。
そしてその思いが、あの前世療法で込みあげて来る切なさとともに、ハッキリと再体験できたのです。私は前世でも、同じように夜の海に浮かぶ月を見て、感慨に浸っていたのです。
暗闇に浮かぶ月を、無意識に孤独な自分の姿に、照らし合わせたいたのでしょう。
人は自ら自分の前世であると実感する
私は自らが催眠療法士として活動し、前世療法を行っているとき、クライアントに対して、「これがあなたの前世ですよ」とは言いません。
なぜなら、私が何も言わなくても、誰もが私と同じように、前世療法を体験すると気付くのです。
現在の自分の習慣に含まれた、前世からの繋がりを。今世も同じように感じて生きていたと。
そして気付くのです。これは自分の前世の記憶に違いないと。
先に紹介したように、前世療法で感慨深い体験するためには、事前に年齢退行催眠をうけ、催眠状態を経験しておくことが有効です。
詳しくは、こちらの「前世療法で、あなたが前世が見えない理由」で、そんな前世体験をする上でのポイントを、詳しく解説しています。
自分の前世を省みて先に進むこと
私にとっての「失敗した人生」、それは自分が望んだように生きれずに、自己実現できなかった人生だったのです。
そして今世、私はあと少しで、同じ過ちを繰り返してしまうところでした。
私は前世の記憶を含め、今までの自分を振り返り決断しました。
今世は前に進もうと。
それから20数年、私は自分が望んだ生き方をしながら、愛する家族と、多くの同じ志を持った仲間に囲まれた、とても幸せな人生を過ごせています。
ある女性の前世療法の実例
先に紹介した、私自身の前世療法体験では、自分が失敗した前世を、意図的に指定して思い出しました。
ですが、前世療法で自然と思い出される記憶には、ある特定の傾向があります。ここからは、前世療法で思い出される記憶の特徴を、ある方の実例をもとにお話ししていきましょう。
前世療法セッションのステップ
昨年の暮れに、ある女性が前世療法を受けに来てくださいました。私の前世療法のセッションは、1日で5時間ほど掛けて進めますが、所々に振り返りの時間があります。
休憩も兼ねて、今みて来た前世を振り返りながら、お互いに感じたことを話し合うのです。
その日も午前中に2時間かけて、催眠療法や前世療法に関する説明を行い、年齢退行催眠を1回体験いただきました。
そして午後の時間には、いよいよ前世の記憶を思い出すワークを進めていきます。午後は10分程度の休憩をはさんで、2回に渡り、前世療法を受けていただくのです。
具体的な問題を解消する為の前世療法
まずは、今世の時間を遡り、幼いころの記憶を振り返りながら、前世へと誘導していきます。
彼女は元々、具体的に改善したい問題を持て、セッションを受けていました。そのため、前世の記憶についても、その問題にかかわる出来事へと導いていきます。
彼女がずっと感じながら、その理由が解らずに改善できなかったこと。それは漠然とした「自己否定感」や「自信の無さ」でした。
もともと彼女の場合、感情に対してとても冷静に対処できる、そんな傾向を持っていたのです。それは冷静に、自分の感情をコントロ―ル出来る、資質のようなものです。
言い換えると、なかなか自分の意思や強い感情が沸き上がってこない、性格的な傾向ともいえるでしょう。
「自信の無さの」の原因の記憶へ
私はそんな彼女を誘導して、催眠状態のセッションの中で「自信の無さ」に意識を向けさせます。そしてこう伝えしました。
それでは、その「自信の無さ」や「否定感」を、味わっていた頃へと戻りましょう。
するとすぐさま、彼女から返事が返ってきます。
赤レンガでできた工場のような所にいます。何か機械のようなものを組み立てているようです。私は男性で体格も大きく、その工場で働いているようです。
ちょうど産業革命の頃のイギリスのようです。
彼女が前世で感じていたこと
私は引き続き、どんな気持ちでそこにいるのか、聞いてみました。すると。
不器用で、仕事が下手で、上司の人にいつも怒鳴れて、怒られてばかりいます。もともとは田舎から、仕事を探して出てきたので、生きるためにはその仕事が必要なのです。
不器用で、否定されて、ずっと落ち込んで過ごしていました。
すると彼女の中から、とても大きな落ち込みのエネルギーがあふれ出てきます。
私は日頃、人のオーラを見るオーラ診断というセッションも行なっているので、彼女の身体の中から、まるで噴水のように、否定的なエネルギーが溢れだしてくるのが解りました。
前世の感情を振り返ると癒される
私はそんな、深い落ち込みを感じている彼女に、引き続き語り掛けます。そのエネルギーを全て解放させるように。
次から次へと溢れ出て来るエネルギーを浄化しつつ、その前世で感じていた苦しさを、すべてを吐き出させます。
それは催眠療法としてのスキルを使いながら、同時にオーラ診断で使う能力で、エネルギー状態を観察し、浄化していく作業です。
彼女はその男性としての人生で、その工場に勤め続け、深い落ち込みや否定感を持ったまま、その人生を終えていました。一生という長い時間を、ずっと耐え続けていたのです。
そして今まさに、前世療法を通してその記憶を振り返ることで、その時に溜めていた、すべての否定感と落込みのエネルギーを、解き放つことができました。
思い出される前世の記憶の特徴
そんな彼女が、2回目の前世療法で思い出した人生も、やはり今世の出来事に直結する、具体的な出来事でした。
それは今世の妊娠や出産に関わる、女性としての前世の記憶です。
楽しい前世は殆ど思い出さない
2度の前世体験を終えて、それまで見てきた記憶を振り返りながら、彼女はポツリと言いました。
見て来た前世は、どちらもとても実感の湧くものでした。でも楽しい人生は思い出さないもんなんですね。
そう、彼女の言う通り、前世療法では楽しい人生はあまり思い出しません。それが前世療法セッションで思い出す記憶の最大の特徴です。
例えば、こちらの「前世が「お姫様、魔女、巫女」という人の特徴」でも紹介したような、お姫様のように優雅に過ごした人生や、何不自由ない幸せな人生は、さほど記憶として蘇って来ないのです。
幸せな人生として蘇る前世の記憶もありますが、それは何が幸せなのかを再確認するような、とても平凡で普通の人生ばかりです。
なぜ幸せな前世を思い出さないのか?
でもそれはきっと、幸せで何不自由ない人生には、エネルギー(思い入れ)が残らないからです。そこには、強く感じた体験や思い入れが無く、執着や固執もあまりないのでしょう。
大きな波もなく、瞬く間に過ぎてしまった、夢のような人生だったのかもしれません。でもそれは、私たちの今世の記憶でも同じです。
あなたも改めて、自分の過去の記憶を振り返ってみれば解るでしょうが、きっと今の人生で思い出されるものも、幸せで楽しかった時間より、辛く悔しかった出来事の方が多いでしょう。
なぜならそこには、あなたの思い(感情)が、トラウマや執着、固執となって残っているからです。
それを、オーラを見るような、スピリチュアルな視点から言うなら、あなたのエネルギーが、その記憶に留まっているからなのです。
前世療法とは自分の本質に触れる体験
だからこそ、思い出される前世の記憶も、同じように辛かったり、悲しかったりと、情緒あふれる人生が多いのです。
そこには、その時代に生きたあなたの思いや願い、気持ちが残っているからです。それはある意味、こちらの「前世のトラウマ診断とその影響」でも紹介した、前世にあなたが体験したトラウマと、言えるものかもしれません。
ですがそんな人生の記憶ほど、今のあなたに強く影響しており、思い出すことで癒しを与えてくれます。こちらの「前世療法で水恐怖症の原因が解った体験談」で紹介した実例などは、特にそうです。
前世療法とは、自分の心の奥深くにある、本質に触れるような特別な体験だといえるでしょう。
前世の記憶はあなたが歩んできた道程
いかがでしたか、私の「失敗した人生」に始まり、ある女性の「自信の無さ」に繋がる前世についても、紹介してきました。
それにより、前世療法で思い出す記憶の特徴も、お解りになったと思います。
人生の苦難は人を成長させる
前世の記憶を思い出すことで、大きな癒しが起るとき。それはいつも、悲しみや辛さなど、苦難を味わった辛い人生を思い出した瞬間です。
その時あなたは、まさにその時代に感じていた思いをありありと体験し、同時にその思いを解き放ちます。
その臨場感あふれるセラピーは、あなたを強力に癒してくれる可能性を秘めた、とてもスピリチュアルな体験だといえるでしょう。
それは、あなたが霊的存在として、幾度もの転生を繰り返しながら歩んできた、道程に他ならないのです。
前世療法を体験して今世に活かす
ですから私は、そんな体験に付き添う喜びを感じながら、前世療法を行っています。
きっとその体験は、あなたにとって、人生を変えてしまうような価値あるものとなるでしょう。
前世療法とは、確かに非日常的な経験ができる、スピリチュアルなワークではありますが、あくまで私たちの心の奥深くを見直していくものに過ぎないのです。
こちらの「前世体験の実例集」では、そんな前世療法のセッションの体験談を、いくつも紹介しています。
よろしければ一度ご覧になりながら、ご自分の人生についても、振り返ってみてください。
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前世療法とは、退行催眠療法の一分野で、変性意識状態になり、過去の記憶を思い出していくワークです。
詳しくはこちらの、「前世療法で心が癒されるスピリチュアルな5つの効果とは?」でも、そんな催眠療法の過程と、前世の記憶を振り返ることによる効果について説明しています。